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中村淳彦ノンフィクションライター

1972年、東京都生まれ。アダルト業界の実態に詳しく、AV女優や風俗嬢を1000人以上取材。一時期、介護施設の代表を務めた。代表シリーズに「名前のない女たち」。「崩壊する介護現場」「日本の風俗嬢」「ルポ中年童貞」など著書多数。

女優の8割は1本数万円…“駆け込み寺”にもならないAV業界

公開日: 更新日:

 90年代後半まで、AV業界に足を踏み入れるきっかけは路上スカウトがメジャーでした。高収入求人情報誌「てぃんくる」などの創刊やプロダクションによる募集サイトの開設で、今ではメール1本で誰でも簡単にAV女優に応募できるようになった。プロダクションはルックスや経歴などのスペックで厳しく選別します。振り落とされる女性は珍しくありません。

 志願者増の背景には、女性の貧困があります。ブラック企業の蔓延、非正規雇用の拡大、奨学金返済地獄……。マジメに働いても生活難から抜け出せない女性が増えています。「生活費の足しに1万円欲しい」といった切実な動機で、貧困女子がAV業界の門を叩く。時期を同じくして、ネットの普及や若者の草食化などを引き金にAV不況が起きました。供給源は潤沢です。メーカーは女優を斡旋するプロダクションの足元を見て出演料を下げる。女優の懐に入るギャラも下落するデフレスパイラル。女優の使い捨ては当たり前になりました。(つづく)

【連載】加速する「貧困AV嬢」のリアル

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