著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(38)同年代のライバル「篠山紀信と荒木経惟、どっちも俺は認めている」

公開日: 更新日:

加納「そうそう」

増田「ガードが凄かったんじゃないですか。だって彼女の全盛時代ですよね。あの頃のアイドルは今の物差しでは測れないスーパートップじゃないですか」

加納「全盛も全盛。本当の絶頂期だよ」

増田「よくまあ、あそこまで乳首を見せましたね。見せたわけではないにしても、完全にわかる写真ですものね。当時あんなのありえなかった。当時のアイドルは殿上人だったから」

加納「そんなのよく撮らせたなと思うし掲載できたなと思う」

増田「彼女の魅力が内から滲んで滴ってましたからね。あれ見たら『加納にやられちゃったよ』って篠山さんが負けを認めたっていうのは仕方ない。年齢的には典明さんと?」

加納「荒木とお篠は1940年生まれの同い年で俺の1学年上。 だから年齢的には3人ほぼ同じ」

篠山紀信と荒木経惟(しのやまきしん/あらきのぶよし=アラーキー):加納典明と同時代に活躍したトップ写真家。女性のグラビア写真を主戦場としたライバル。篠山はふわりとした作風でアイドルや大女優のここぞというときのヌードを美しく仕上げ、逆にアラーキーは庶民を撮影するような作風でアイドルの裸を読者の眼線にまで持ってきて世間を騒がせた。

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