はるかに大きな“毒”をまき散らすSNSの出現で「週刊誌の時代」はもう終わったのか
これは私の遺言である。
私は1970年、講談社に入社以来、退職するまで、雑誌、それも主に週刊誌に携わってきた。
FRIDAY、週刊現代、Web現代の編集長を経験して退職。その後も、毎週多くの週刊誌を読み、それにまつわる雑文を書いて過ごしてきた。
私が週刊現代編集長を辞したのは1997年。雑誌も出版界全体の売り上げもピーク時であった。現代の新年合併号は130万~150万部をつくり、完売した。
しかし、それ以後、部数は減り続け、現在、トップの週刊文春でも実売は20万部をわずかに超える程度で、新潮は約10万部。現代やポストは月3回という変則刊行になってしまった。
私は、部数が往時の何分の1だから週刊誌の時代が終わった、とは思っていない。週刊誌の本当の危機は、別にあるからだ。
話は変わるが、週刊新潮が、朝日新聞記者2人を殺傷した赤報隊実行犯の手記という大誤報をした2009年春、私が呼びかけ「週刊誌が死んでもいいのか」というシンポジウムを上智大学で開いた。新潮を除く週刊誌編集長、田原総一朗、佐野眞一らが登壇し、大教室に入りきれないほどの人であふれた。新聞やテレビも取り上げ、YouTube、Twitterに動画や速記録がアップされた。


















