総合診療医の育成

公開日: 更新日:

 専門医制度改革が進められています。今年から、日本専門医機構がスタートしたのもそのひとつ。専門医の認定などを行う第三者機関として、期待されています。

 しかし改革の最大の目玉は「総合診療医」の創設です。総合診療医とは、内科を中心に、さまざまな病気に対応できる、ゼネラリストの医師のこと。医師の専門化が進み過ぎた結果、自分の専門外の病気には、対応できないし、興味もないといった医師が増えてしまいました。その穴を埋めるのが総合診療医というわけです。

 ただし実態としては、欧米の家庭医や、プライマリー医を強く意識したものになっています。内科、小児科、救急の初期診療ができ、老人医療にも対応できる能力が求められています。昨今の病気事情を反映して、精神科の初期診療も加えるべき、という意見もあります。

 ゼネラリストを、専門医として認定するのですから、言葉の矛盾が生じます。そのため、「総合診療専門医」とはせずに、この名前に落ち着いたという次第です。シンプルに「総合医」のほうがいいという意見もあります。が、いずれにしても、基本分野としては19番目の専門医として、制度に組み込まれることになっています。

 総合診療医の研修の詳細は、今年度中に決まり、2017年度から、養成が始まる予定です。

▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に