著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

医者嫌いの養老孟司先生が肺がん治療を受け入れた要因

公開日: 更新日:

 私の恩師・養老孟司先生ががんになりました。すでに治療を終え、いままで通りの生活に戻っていますが、治療前後で先生の考え方が大きく変わったことはこの連載の読者の方にも参考になると思います。そのさわりを紹介しましょう。

 養老先生のがんが見つかったのは今年4月。先生のお嬢さんから私に電話があり、「去年の秋から肩の痛みが背中全体に広がってきたのです」とおっしゃるので、電話の翌日、私の外来を予約して、先生を連れてきてもらいました。

 診察や針生検などの結果、小細胞肺がんのステージ2と判明。肺がんは細胞の大きさで、喫煙者に多い小細胞型とたばこを吸わなくても発症する非小細胞型に大きく分かれ、ヘビースモーカーの先生は小細胞型でした。これは、非小細胞肺がんと比べて増殖が速く、再発や転移を起こしやすいのが特徴です。肋骨に食い込んで痛みがあったことで早く気づけたのはラッキーだったでしょう。発生が中央部だったら、もっと大きくなって転移するまで見つからなかったかもしれません。

 治療は、このタイプの基本である化学放射線療法をほとんど迷うことなく選択されました。今回の肝はここです。詳しくは、私との共著「養老先生、がんになる」(エクスナレッジ)に譲りますが、ポイントを紹介します。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし