専門医改革の行方

公開日: 更新日:

 いまや専門医は約90種類。認定条件は、学会によってバラバラ。しかも総じて緩めときては、専門医そのものに疑問の声が上がるのも、無理からぬところ。そこで厚生労働省が中心となって、専門医制度改革が進められています。

 改革の目玉のひとつは、専門医の認定などを行う、第三者機関が発足したこと。名称は、一般社団法人・日本専門医機構です。いままで学会単位で行われていた専門医の認定を、この組織が一手に担うことになります。

 計画では、今年中に各専門医の研修プログラムを評価し、来年度から新プログラムをスタートすることになっています。新制度のもとで、最初の専門医が輩出されるのは、2020年度になるはずです。

 また、2025年までには、診療科目と専門医とを結びつける案も出ています。いまの制度では、医師は、自分の裁量で診療科目を決めることができます。そのため、4つも5つも科目を掲げる開業医が、後を絶ちません。しかし将来的には、内科専門医を取得したものだけが、内科を開設できるといった方向に変えていこうというのです。それが実現すれば、病院や診療所の看板に書かれている科目が、より信頼できるものになるはずです。

 とはいえ、日本専門医機構の実態は、学会の寄り合い所帯。どこまで踏み込んだ改革ができるのか、注意深く見守る必要がありそうです。

▽長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

【連載】健康医療データの読み方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?