力む習慣ありならかかりやすい 便秘気味なら「直腸瘤」を疑う

公開日: 更新日:

 排便がうまくいかない「排便困難」の原因で代表的なのが「直腸瘤」だ。ただし、比較的新しい概念のために医師でも精通している人は少なく、見逃されているケースが珍しくない。複数の科で直腸瘤の治療にあたっている「辻仲病院柏の葉」(千葉県)の辻仲康伸院長に聞いた。

 直腸は肛門とつながっている。この直腸がポケット状に膨らみ、突出したのが直腸瘤だ。腸を通って肛門から排出されようとしている便が、その直前に“落とし穴”のようになっている直腸瘤に入り込み、便が出にくくなる。

 患者の7~8割が女性。それには、出産が関係している。

「出産で強く力むと直腸に圧力がかかる。直腸は屈曲しているので、前方に特に圧力がかかります。そこに加齢が重なって、直腸と膣の間の壁の組織が緩み、ポケット状にへこんでいくのです」

 出産以外では、高度の便秘症や排便時に何回も力む習慣がある人に直腸瘤が出来やすい。また、直腸瘤と同様の原因で起こる「骨盤臓器脱」も併発している人が、高齢者を中心に多い。骨盤臓器脱は、骨盤底の緩みで起こる子宮脱、直腸脱、膀胱脱などの総称だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々