【高気圧酸素】荏原病院・脳神経外科(東京・大田区)

公開日: 更新日:

 空気塞栓症は、動脈中にできた気泡によって血流が妨げられて起こる。脳動脈や冠動脈に起これば脳梗塞心筋梗塞と同じ状態になる。ダイバーの死亡原因で多い病気だ。

 高気圧酸素治療は血流の届かない組織へ酸素を送り、気泡を圧縮して体外へ排出させる。

「減圧症や空気塞栓症は、スキューバダイビングだけでなく、地下トンネルのシールド工事や橋の土台をつくる潜函作業などでも起こります。当科は、建設現場の患者さんの受け入れも多い。工事が始まるときはゼネコンなどから問い合わせがあります」

 高気圧酸素治療装置は、患者1人を収容する第1種装置と、6~7人収容できる第2種装置がある。重症の減圧症や空気塞栓症では医療スタッフを伴う必要があり、第2種装置でないと治療が難しい。国内で稼働する第2種装置は同科を含め、50台弱(東京都内5台)しかない。

「他の疾患での治療は2気圧で時間は約90分ですが、減圧症や空気塞栓症では約4時間半かけます。急速に2・8気圧まで上げて、時間をかけて気圧を下げていく『再圧治療』という方法です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由