【高気圧酸素】荏原病院・脳神経外科(東京・大田区)

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 空気塞栓症は、動脈中にできた気泡によって血流が妨げられて起こる。脳動脈や冠動脈に起これば脳梗塞心筋梗塞と同じ状態になる。ダイバーの死亡原因で多い病気だ。

 高気圧酸素治療は血流の届かない組織へ酸素を送り、気泡を圧縮して体外へ排出させる。

「減圧症や空気塞栓症は、スキューバダイビングだけでなく、地下トンネルのシールド工事や橋の土台をつくる潜函作業などでも起こります。当科は、建設現場の患者さんの受け入れも多い。工事が始まるときはゼネコンなどから問い合わせがあります」

 高気圧酸素治療装置は、患者1人を収容する第1種装置と、6~7人収容できる第2種装置がある。重症の減圧症や空気塞栓症では医療スタッフを伴う必要があり、第2種装置でないと治療が難しい。国内で稼働する第2種装置は同科を含め、50台弱(東京都内5台)しかない。

「他の疾患での治療は2気圧で時間は約90分ですが、減圧症や空気塞栓症では約4時間半かけます。急速に2・8気圧まで上げて、時間をかけて気圧を下げていく『再圧治療』という方法です」

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