著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

死亡リスク低下? 人生に目的意識のある高齢者は長生きする

公開日: 更新日:

「人生の目標をしっかり持つことが大切」と言われた経験はないでしょうか。「何のために生きているのか」と感じるのは、程度の差はあれ誰しも経験することです。「生きる目標」「生きる目的」を明確に持って日々努力している人は、自分が何のために生きているのか、その答えをしっかり持っているようにも思えます。

「目的意識を持って生きることが、死亡リスク低下に関連する」とした興味深い論文が、米国心身医学会誌2015年12月電子版に掲載されました。

 この論文は人生における目的意識が、死亡リスクや心臓病発症などにどのような影響を与えるのか検討したものです。10の前向き観察研究を統合解析しており、13万6265人が解析の対象となりました。

■65歳を超える高齢者で顕著な結果

 その結果、死亡のリスクは、「目的意識の低い人」に比べて、「目的意識の高い人」で17%、統計的にも有意に低下しました。心臓病の発症も同様に、17%低下するという結果になっています。日本人のデータのみの解析でも、死亡リスクが19%低下するという結果になっており、目的意識の高い人は、わずかながら長生きできる可能性が示されています。特に65歳を超える高齢者では37%もの死亡リスク低下が示唆されており、年を取っても目的意識が高い方が、長生きできるかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁