クスリ服用もデメリット しつこい「夏風邪」の常識と誤解

公開日: 更新日:

 実は、風邪薬を飲むとデメリットの方が大きいことを示す調査結果もある。

 京都大学が行った解熱鎮痛剤「ロキソニン」に関する研究結果では、ロキソニンを服用した人はすべての症状が消えるまで8.9日間要し、そうでなかった人は8.4日間要した。

 解熱鎮痛剤は多くの風邪薬に含まれている。胃炎や薬剤乱用性頭痛などの副作用があるので、治りが早くならないのであれば、飲まない方がいい。 

■咳喘息、COPDだったケースも

 そして、もうひとつ注意したいのが、「長引く咳」だ。くしゃみや鼻水などは治まったのに咳だけが残り、2週間以上続いている――。この場合、風邪をきっかけに別の疾患を発症している可能性がある。

「夏風邪に限らず、当院には長引く咳の相談の患者さんがたくさんいらっしゃいます。風邪だと思っている人が多いのですが、風邪でそこまでは長引かない。よく見られるのが、咳喘息とCOPDです」

 咳喘息は、気道の粘膜に炎症が起こって敏感になり、ちょっとした刺激にも反応して咳が止まらなくなる疾患。「ちょっとした刺激」とは、ラーメンの湯気、冷たい空気、線香の煙、香水など。いったん出始めると話もできないほどひどくなり止まらない。また、咳は夜間や明け方に出やすい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明