気軽に始めて依存症に 医師が出す“軽い安定剤”の落とし穴

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 睡眠薬に依存性があるのは前述の通りだが、精神安定剤に関しても同様だ。睡眠薬と精神安定剤の大半は「GABA-A受容体作動薬」というメカニズムの薬で、精神安定剤が睡眠薬の代わりになる。

 現在、診療報酬上の1回の処方日数に加え、多剤併用を避けるために「睡眠薬は2剤まで。精神安定剤も2剤まで」という決まりがある。しかしここに、患者側がはまるのを避けるべき落とし穴がある。

「睡眠薬も精神安定剤も最大量処方されれば、合計4剤になります。睡眠薬と精神安定剤は同じメカニズムの薬ですから、本来ならどちらか一方を、単剤で十分なのですが」

 睡眠薬に詳しくない医師であれば、依存のために「薬が効かない」と訴える患者に、難なく増量の処方箋を書くかもしれない。睡眠薬、精神安定剤は3剤以上服用しても効果が高くなるというエビデンス(科学的根拠)はどこにもない。

 いつか睡眠薬が効果を発揮する時が訪れるかもしれない。しかし、それは今なのか? 患者はしっかり見極め、正しく使用しなくてはならない。

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