【早発閉経の不妊】卵巣に残る原始卵胞を活性化させる

公開日: 更新日:

「通常、卵巣には数十万個の未熟な原始卵胞が存在し、月経のたびに数百個が活性化して発育します。しかし、活性化は原始卵胞が残り1000個くらいになると停止します。卵胞活性化療法は、早発閉経の患者さんの卵巣にわずかに残っている原始卵胞を、体外で人為的に活性化させるのです」

■卵巣移植を実施した70人中3人が出産

 具体的には、腹腔鏡手術で片側の卵巣または卵巣の一部を取り出し、原始卵胞を含む卵巣組織を特殊な薬を用いて2日間培養。それを再び腹腔鏡手術で卵管の近くに戻す。その後、ホルモン療法(内服)と排卵誘発剤の自己注射をし、成熟した卵子ができたら採卵を行い体外受精をする。卵胞活性化の効果は1~2年くらい持つという。

「原始卵胞が残っていれば、50~60%の患者さんで成熟した卵子がつくれます。ただし、妊娠率は患者さんの年齢によって大きく異なります。これまで活性化した卵胞を戻して1年くらい観察できた患者さんは70人で、うち妊娠したのは9人で分娩に成功したのは3人です」


 これまで報告されてきたホルモン療法による原始卵胞の成熟率は年間0・3%なので、その差は歴然だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃