年を取るとなぜ物忘れが増える? 脳神経外科医に聞いた

公開日: 更新日:

 人の名前が思い出せない。どこに物を置いたか忘れてしまう――。そんな「物忘れ」が昔より増え、不安を覚える人も多いだろう。そもそも、なぜ年を取ると物忘れが増えるのか? くどうちあき脳神経外科クリニック(東京・大田区)の工藤千秋院長が言う。

「どんなに高性能のコンピューターでも、長年使っているとだんだん劣化してきますよね。同じように、脳の中の“海馬”というコンピューターを使い続けると、その中の神経細胞にゴミがくっついてきて電気の流れが悪くなったり、停電してしまったりするのです」

 海馬は大脳の中心部分にある大脳辺縁系の一部であり、記憶をつかさどる器官だ。年齢を重ねると、その海馬の神経細胞に付着するアミロイドベータという老廃物が排出されづらくなる。そのアミロイドベータ(ゴミ)がたまると、神経細胞の伝達機能が低下したり、細胞自体が死滅したりする。これが物忘れの原因だ。

 実は、記憶がため込まれるのは海馬ではない。外部から入力された情報はいったん海馬に集められ、取捨選択される。眞田クリニック(東京・大田区)の眞田祥一院長が説明する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」