糖尿病治療の“定番薬” 意外な「効果と副作用」を医師解説

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「メトホルミンは古くからあるビグアナイド系の経口糖尿病治療薬です。日本では1961年から使われています。筋肉細胞でのインスリン抵抗性を改善してブドウ糖の利用を促したり、肝臓で貯蔵しているグリコーゲンを分解してブドウ糖を供給する『糖新生』を抑制したりして血糖値の上昇を抑えます」

 ただし、この薬は開発以降評価が安定していたわけではない。

 フェンホルミンと呼ばれる同じビグアナイド系の別の2型糖尿病治療薬で多数の乳酸アシドーシスと呼ばれる重篤な副作用が多発。70年代後半から使用が敬遠されてきた。

 ところが、94年に米国食品医薬品局(FDA)が安全性を確認。98年に血糖値を正常に近づけることが心血管イベントを抑制できるかを調べた大規模臨床試験でメトホルミンの有効性が再評価されてから状況は一変。インスリン抵抗性を改善するなどの臨床結果が次々に発表され、2005年には国際糖尿病学会のガイドラインでは腎機能障害がなければ2型糖尿病の患者に最初に使うべき治療薬と認定されている。

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