膵臓がんで延命治療を告げられたYouTuberみずきさん「道が閉ざされた感じでした」

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YouTuberみずきさん(サニージャーニー/33歳)=膵臓がん

 治療しなければ4カ月、治療しても早ければ半年、長くて2年──。

 これは、延命治療しかないと言われたとき、こちらのお願いで、先生から伺った余命です。延命の目安が欲しかったんですよね。でも今のところ治療がとてもうまくいっていて、前向きに病気と付き合っています。

「膵臓がん」と診断されたのは、昨年10月。異変はその4カ月ほど前から始まっていました。沖縄から日本一周の旅を始めて大分県に入った頃、お腹に痛みを感じて血液検査をしたのです。するとアミラーゼ(消化酵素)の数値が高かったため、「膵炎」の可能性を指摘されました。

 でも、その後のCT検査(造影剤なし)で異常がなかったので、逆流性食道炎かもしれないと、昔ながらの胃薬を処方されました。後々、医師からは「意味のない薬だ」と言われたのですが、それがなんとなく効いて、いったん腹痛は治まったんです(笑)。高知県に入ってから再びお腹の調子が悪くなったので、病院で同じ胃薬を処方してもらったりしていました。

 大きな病院で診てもらいたいと言い出したのは自分です。じつは鏡を見ていたら白目が日に日に黄色くなっていることに気づいて、「膵臓、目が黄色」というワードでネット検索したら、「黄疸」と「膵臓がん」という情報がいっぱい出てきたんです。

 愛媛県の大きな病院で検査をしたら、やはり「膵臓がんの可能性が高い。長期療養になる」と言われました。長期療養になるなら実家のある北海道がいいと思って、北海道の病院で精密検査を受けて確定したという流れです。「やっぱりそうか」と思ったと同時に、旅を中断させてしまい、こうへい君(当時婚約者、現夫)に申し訳ないなぁという気持ちでした。

薬が劇的に効いた

 がんという病気に対して無知だったので、病名を聞いてもショックというより、これからどんなことが起こるんだろうという不安の方が大きかったです。膵臓がんの中でも腺房細胞がんという珍しいがんで、症例が少なく治療法が定まっていないと聞き、「正解がないんだ。自分で選んでいかなければならないんだ」と理解しました。

 転移もあったので進行度はステージ4。手術は不可能、放射線もできず、抗がん剤での延命治療しかないと言われました。しかも、膵臓がんに使える薬は少ないとのこと。「そっか……」ってなっちゃって、道が閉ざされた感じでした。

 ただ、たしかに希望はなかったんですけど、死んじゃうときにどういう状態で命を終えるか想像すると、「そばにこうへい君がいるし、家族がいるな」と思って、あまりマイナスなイメージではなかったんです。幸せに終えることができるなと思えたので、まぁいいかなって(笑)。性格的にネガティブが続かないんです。

 治療に使用した抗がん剤は「フォルフィリノックス」というもので、3種類の薬を投与します。1日のうちに1時間かけて1つ目の薬、もう1時間かけて2つ目の薬、そのあと3つ目の薬を3日目まで時間をかけて投与するんです。その後の休薬の期間を含めて2週間で1クールの治療を4クール終えたところで、薬の効果を見る最初の評価がありました。そこで「劇的に効果あり」と評価され、「手術できるかもしれない」となりました。その後も抗がん剤治療を続け、今年の夏ごろ、できないと言われた手術ができたのです。

 入院は約1カ月。みぞおちからおへその下ぐらいまでバッサリの開腹手術でした。誰も教えてくれなかったんですけど、術後は強烈に痛くてびっくりでした(笑)。痛み止めはできる限り打ってもらいましたが、それでも足りなくてつらかった。3日ぐらい痛みで何もできなかったですが、徐々に良くなり、1週間もすると少しずつ歩けるようになりました。

 術前にいろいろな合併症を説明されましたけど、今のところは問題なく順調に回復しています。少し便が緩いのが続いていますが、半年ぐらいで正常になるもののようです。食事制限はない代わりに「トライ&エラー」で調整しています。あとはこうへい君が毎日作ってくれる野菜スープとニンジンジュースを飲んでいます。

 今は術後の抗がん剤治療をしているところです。こうへい君が常に私優先でいてくれるので、ストレスのない状態で毎日楽しく過ごせています。

 本当に大変な闘病を強いられている人もいると思いますが、あくまで私がたどってきた経過の話でいえば、思っていたより楽しく生きられています。周囲に家族がいて、一緒に笑ってくれる人がいて、行きたいところにも闘病しながらでも行けました。

 もともと怠け者で「今度でいいや」と思うタイプだったんですけど、病気をしてからは「このチャンスを逃さない!」と思うようになりました。行けるときに行く、会いたい人に会う、そう思うようになってからはイベントがたくさん発生して毎日が濃くなりました。自ら楽しみをつくってそれをこなしていけば、こんなに楽しいんだ。ということは、健康ならもっといろんなことができる。そんなことに改めて気づきました。

(聞き手=松永詠美子)

▽1990年、北海道出身。観光業界で働いていた26歳のときにこうへい氏㊨と出会い、婚約。2人でユーチューブチャンネル「Sunny Journey」を立ち上げ、2022年4月から日本一周の旅をスタートした。動画配信を続けていたさなかに膵臓がんが見つかり、旅を中断し治療に入った。その後は治療の経過を積極的に配信。昨年末に結婚。現在も治療は続いている。




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