著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

考えている以上に「ストレス」は病気の引き金になる

公開日: 更新日:

ストレスは体に悪い」ということは、今さら説明するまでもないと思います。しかし、実際にどれくらい悪影響を及ぼすものなのかきちんと認識している人は少ないかもしれません。漠然と「ストレスは良くない」と思っているから、なるべく嫌な相手とは付き合わない、なるべく嫌なことはしない--。そうした考えに至っているのではないでしょうか。

 北海道大学の村上らはストレスの恐ろしさについて重要な意義を持つ実験(2017年)を行っています。この研究では、マウスを睡眠不足にさせたり、床敷を濡らしたりすることで慢性的なストレスを与え、その上で多発性硬化症という脳や脊髄などに硬化が起きる病気とストレスの関係を調べました。端的に言えば、ストレスによって胃腸の病気や突然死は引き起こされるのかを検証したのです。マウスは次の3つのタイプに分けたといいます。

 ①ストレスを与えただけのマウス②ストレスを与えず、多発性硬化症の免疫細胞を注入したマウス③ストレスを与え、血液に免疫細胞を注入したマウス。

 その結果、①と②には特に変化はなかったのですが、③は7割が1週間ほどで突然死したというのです。つまり、炎症を引き起こす病原性の免疫細胞が血中にある場合、ストレスが引き金となって病気を招くことを突き止めました。私たちが考えている以上に、ストレス過剰な状態は、深刻な病気につながってしまうんですね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲