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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

考えている以上に「ストレス」は病気の引き金になる

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 とはいえ、社会を生きていく上で、仕事関係や対人関係などでストレスをゼロにすることはできないと思います。組織の中にいる以上、自分でコントロールできないことはたくさんあります。しかし、最低限の食事睡眠環境は自分でコントロールできるはずです。特に、睡眠は脳の状態を健康に保つためにも重要だと分かっています。

 世界に比べ、日本人の平均睡眠時間は短いといわれることがあります。単に短いだけならまだしも、近年は眠る寸前までスマホやタブレットなどを眺めてしまうため、交感神経がオンのまま眠る人が増えました。眠りの質が悪ければ、その分、ストレスも逃げづらくなってしまいます。

 ボストン大学のファルツらの研究(19年)で、睡眠中(特にノンレム睡眠中)は脳内液体の循環スピードが3.5倍に高まるという報告があります。循環スピードが高まることで脳内のいらない物質をきれいに洗い流している。すなわち、質の高い睡眠を取るほどストレス物質などを取り除いてきれいな状態にしてくれ、翌朝には良い状態で目覚めることができるというのです。

 人間は生きていく中で、すべてのストレスをコントロールすることはできません。何かに囲まれ、誰かと接触する以上、どこかでイライラや不安を抱えます。だからこそ、ひとりでもコントロールできる睡眠の質を高めることが、重要なストレスコントロール術となります。

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