著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「意思決定」は正当化しやすい理由があるか否かに左右される

公開日: 更新日:

 人間はやらないことに対して、言い訳をする天才です。著名な行動経済学者であり、プリンストン大学のシャフィールは、人間は何かを選択する際、単純に効用を最大化するために選ぶのではなく、“自分の選択を正当化できる理由”を探しながら意思決定を行うと唱えています。

 例えば、「休日に何もせずにゴロゴロしてしまう」という選択は、「ゴロゴロした方が体を休めることができる」といった自らを正当化できる理由を見つけ、当人はその判断を下したと考えるというのです。ゴロゴロする言い訳をしているだけとも受け取れますが、人間の意思決定とは身勝手なものなのです。

 シャフィールは意思決定に関するさまざまな実験を行っているのですが、1992年、消費者がリピート購入(同じ選択を続けること)とスイッチング(新しい選択肢に切り替えること)において、「後悔」をどのように経験するかを調べています。

 被験者である消費者に、いくつかの実験を行い、スイッチングがリピート購入よりも後悔を引き起こすかを調べたところ、ネガティブな結果が生じたときは、その後悔が高くなることが分かりました。人間は「現状維持」を好み、よほどの理由がない限り、新しい選択肢を選ばないということが示唆されたのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった