著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

イライラしたとき「モノ」に当たるのは正解なのか?

公開日: 更新日:

 ストレスを感じると、ついつい人やモノに八つ当たりをしてしまい、自己嫌悪に陥る方は少なくないと思います。八つ当たりは、ただでさえ周りの人にとっては迷惑千万ですが、オハイオ州立大学のブッシュマンらの研究(1999年)によれば、本人にもいい影響がないことが示唆されています。

 彼らの研究では、まず被験者たちに「怒りは人にぶつけるよりも枕やパンチングバッグのような無生物にぶつけると発散できる」という嘘の情報を与えました。その後、被験者に書いてもらったエッセーを、サクラが酷評することで被験者たちをイライラさせました。

 そして、被験者たちにストレス発散の方法をリストの中から選ばせたところ、ほとんどの人が虚偽の前情報であるパンチングバッグを選んだといいます。ところが、パンチングバッグを殴った被験者たちは、怒りがおさまるどころか、攻撃的かつ怒りが続く傾向にあり、酷評したサクラはもちろん、関係ない人にまで怒りをぶつけるようになったというのです。イライラしたときにモノに当たるのは、ストレス発散どころか、むしろ逆効果ということが明らかになったのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?