数千回も引用された「撤回医学論文」ランキングと概要…あなたの「医学常識」も変えるべき?

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認知症やワクチンの有力論文も

 2位のゴートレらの論文では、新型コロナウイルス感染症に関するヒドロキシクロロキンの有効性が報告されていました。マラリアという感染症の治療薬である同薬には、抗ウイルス作用が知られており、新型コロナウイルスのパンデミック初期には、有望な治療薬候補として注目を集めたのです。しかし、論文に記載されたデータの不備などを理由に2024年に撤回されました。

 3位と4位では、それぞれ論文に掲載されているデータに誤りがあり、訂正された論文が再投稿されています。

 5位にランクインしているレスネらの論文は、アルツハイマー病の発生メカニズムに関わる知見を報告したものです。アルツハイマー病による記憶の障害は、アミロイドβと呼ばれる非常に小さなタンパク質の塊によって引き起こされている可能性が示されたものの、論文中に掲載された図に対する改ざん兆候が認められ、2024年に撤回されました。なお、近年のアルツハイマー病治療薬の開発は、アミロイドβを標的としてきただけに、同論文の撤回によって、薬剤効果を裏付ける有力な仮説のひとつを喪失したことになります。

 なお、8位にランクインしているウェークフィールドらの論文は、子供に対するワクチンの接種と自閉症の関連性についても報告されており、ワクチンに対して否定的な人たちが引用する論文として知られています。しかし、被験者が意図的に選ばれていた可能性や記載の改ざんなどが疑われ、2010年に撤回されています。

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