トンカツ屋は閉店危機も…「豚肉」が秋からさらに高騰
トンカツがステーキを超える日は近そうだ。豚肉の相場が上昇し、業界がピンチに陥っている。
今月から来月にかけ、食肉大手4社は、ハム・ソーセージの価格を平均10%値上げ中。千葉県では先月末から、養豚場の「生きた豚」が盗まれる珍事件が相次いでいる。しかし、深刻なのはこれからだ。農水省は16日、今年10~12月の豚の出荷頭数が例年より4~5%減るとの見通しを発表した。
「豚流行性下痢(PED)の影響が表面化するためです。これまでの値上げは昨夏の猛暑により出荷頭数が減ったのが原因です」(市場関係者)
農水省によると、昨年10月からPEDを発症した豚は累計116万7818頭で、そのうち34万3070頭が死亡している(13日現在)。
「各地から再燃の声は聞こえていません。発生地域も一部のみ。今は推移を見守っている状況で、収束の時期はなんとも言えません」(同省動物衛生課担当者)
■安い部位を使った店が出てくる可能性も
とはいえ、安心できない。同省の「豚流行性下痢の新たな発生確定件数の推移(今月13日現在)」を見ると、5月2週目以降右肩下がりだったのが、7月1週目には少し増加と、不気味な兆候も出ている。豚肉の高騰はもちろんサラリーマンの食生活を直撃する。東京・中央区の老舗トンカツ屋の店主はこう嘆く。