アメリカで注目 3Dプリンターで「移植用臓器」を作る
3Dプリントされた航空部品などが実用化の段階に入っている今、アメリカで注目されているのが、3Dプリンターで打ち出された「内臓」です。
「3Dバイオプリンティング」と呼ばれる技術で内臓をスキャンし、生きた細胞を使って3次元に出力して作ろうという最先端の再生医療。ウェイクフォレスト大学のアンソニー・アタラ教授は、20年以上にわたって臓器の再生の試みを続けてきた、この分野の第一人者です。
教授は10年前、3Dプリンティングではありませんでしたが、患者の膀胱(ぼうこう)から取った細胞を培養し、生体材料と組み合わせた“手作りの膀胱”を作り出し、実際に患者に移植して成功しています。
しかし、膀胱よりずっと複雑で、“中身”も詰まっている腎臓や肝臓などを構築するためには、もっと進んだ技術が必要。その大きな武器が、3Dプリンターというわけです。
内臓の構造を細かくスキャンしたデータを用い、生きた細胞をインクのように使ってプリントしていくというアイデアで、実際に腎臓を出力するところまできています。