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<ケース4>人事考課に私情を挟む

項目別評価を厳守して総合点をつける

 人間は厄介な生き物だ。感情があるから、好みも出る。しかも、それは固定化し、簡単に変えられない。嫌な相手と殴り合ったあとで仲良くなるのは、マンガに出てくる不良だけ。男女の恋愛ならいざ知らず、嫌いな相手を好きになるなんてサラリーマン社会ではあり得ないのだ。

 だから、人事考課は難しい。嫌いな部下にペケをつけ、好きな部下にマルをつけたくなる。これは人間のサガだろう。

 三菱商事の社外取締役で一橋大特任教授の西山昭彦氏によると、アンケート調査で「あなたならどんな社員を評価しますか」と聞いたところ、①席が近い人②よその部署で評価されていた人③明るい性格の人――という順番だったという。業績を見て評価する人は少ないのだ。

「それだけに人事考課は恣意的になりやすいのです。これを避けるには、一つ一つの項目をクールに評価し、修正を加えないこと。日本の企業は、熱意とか取り組み方とか、さまざまな項目について5段階評価で査定し、最後に総合点を出すスタイルを採用しているところが多い。しかし、この順序を守らずに、総合点を決めてしまってから各項目を評価する人もいます。最初に“彼は評価できる”などと判断し、予想よりも総合点が低いと、各項目に戻って、点数を書き直すわけです。これではフェアな評価はできません。私情を挟みたくないのなら、最初の点数に手を加えないことです」(西山氏)

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