【冷や汁】宮崎郷土料理の代表選手

公開日:  更新日:

板前料理福重(宮崎・宮崎市)

 宮崎県を代表する郷土料理の「冷や汁」。飲んだ後のシメにピッタリだが、水に溶く前の特製味噌だけでも十分、酒に合う。飲むのはもちろん、芋焼酎だ。

「冷や汁は主に山間部で好まれていたもの。真夏の農作業で汗びっしょりになると、塩分とミネラルが不足する。今のようにガスコンロなどがなかった時代は、夏に火をおこして食事の支度をするのもひと苦労だった。そこで生まれたのが冷や汁です」

 焼いてほぐした魚と味噌をすり鉢で混ぜ合わせる。できた特製味噌をすり鉢の内側に塗るように広げ、コンロにかぶせるようにして弱火で回しながら焼く。表面に焼き目がついたら再び混ぜ、これを数回繰り返す。使う魚は何でもいいが、「できればアジなどの青物。白身だと味があまり出ない。面倒ならば、切り身を使ってもいい」と福重さんは話す。

「冷凍保存が利くので、一度にたくさん作ってもいいですよ。魚は多ければ多いほど味のコクと深みが出ます」

 そのまま味噌をなめながら一杯やってもよし。好みの濃さに氷水でのばしてご飯にかければシメの冷や汁になる。三つ葉や大葉、ミョウガなどを刻んで入れれば栄養豊富、彩りも豊かだ。

《レシピ》
・魚(青物)
・味噌 魚の身に対して倍が目安
・好みで三つ葉、大葉、ミョウガ、キュウリなど

 魚をよく焼いてバラバラにほぐし、すり鉢で味噌と混ぜ合わせる。逆さにしたすり鉢ごとコンロにかけ、味噌全体に焼き目がつくように何度も混ぜながら火にかける。

今日の達人 福重浩さん

▽ふくしげ・ひろし
 宮崎県都城市出身。高校の調理科を卒業後、大阪から南は鹿児島まで、西日本を中心に修業。しかし、「どこに行っても宮崎の食材が頭をよぎっていた。結局、日向灘の魚にかなうものはなかった」と見定めて、帰郷。30歳で独立して「福重」を構え、今年で32年目になる。

▼福重
 日向灘で取れた新鮮な海の幸が自慢の板前料理店。メニューはなく、コース中心で、料理はその日の仕入れ状況次第。「だからこそ、海の食材は面白い」(福重さん)。予算に応じた注文も可能。プロ野球選手やプロゴルファーらにもファンが多い。
宮崎県宮崎市千草町8―6
℡0985・28・8196

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