60代の2割が定年退職破産“カードならポイント2倍”は要注意
安倍政権は来年10月の消費増税に合わせて、キャッシュレス化を加速させる方針だ。クレジットカードをはじめキャッシュレスで支払うと、決済額の5%分がポイント還元される。増税後の9カ月間の時限措置とはいえ、カード化の流れが進むはず。そこで、気になるのが、カード地獄で苦しむ人たち。どんな人が、ハマるのか。
ある40代の男性は、妻から手渡される月々の小遣いが3万円。しかし、飲み会に誘われることが多く、週末は趣味の競馬がある。毎月の小遣いだけではカバーできず、クレジットカードのキャッシングを利用。最初のうちは、手にした小遣いの3万円を丸々返済に充てていたが、それではプライベートがままならず、キャッシングを繰り返すうちに500万円に膨らんでいたという。
「妻は生活費を切り詰めて、子どもの教育費として500万~600万円貯めていました。結局、夫の借金を肩代わりして離婚です。こんなケースは珍しくありません」
こう話すのは、NPO「消費者サポートセンター」相談員の植村恭臣さんだ。毎日、全国からクレジットカードによる借金相談も受けている。新聞や雑誌には、キャッシングの過払い金返還請求をPRする広告を目にするが、それはカード地獄に苦しむ人が多いことの裏返しだろう。