吉川良さん<5>家業継ぐも面白くなくて小説を書くように…

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「宝石商はサラリーマンだったから、面白がって仕事ができたんだけど、“家業を継ぐ”となると話が違うね。同じ給料をもらうとはいえ、小さな薬問屋だから従業員兼経営陣のようなもの。経営っていうか、カネのやりくりを気にせざるを得ないし、一方で毎日医者にペコペコ頭を下げなきゃならない。手形の心配までしてさ、生きた心地がしなかった。スーパーなどが衛生用品を扱い始めて価格が崩れ出し、小さな問屋が生き残るのは大変だったんだよ」

 昭和40年代半ばから50年にかけてのことだ。

 その頃、社台グループの創業者・吉田善哉氏はグループを着々と広げていた。1971年、白老に続き、社台ファーム早来(現ノーザンファーム)をつくる。72年にはアメリカでノーザンテーストを購入。その後、同馬はフランスでGⅠレースに勝ち、引退後、日本で偉大な種牡馬になる。

「仕事が面白くないのもあって、会社に寝泊まりして夜中に小説を書くようになった。商品が積んである脇の3畳くらいのスペースで、毎晩、夜中の3時ごろまで机にロウソクを立てて書いた。で、38か39の年、小説新潮に10枚くらいの短編を書いて入選。藤原審爾さんが審査員でね。少しばかりお金が入った。うれしかったね~。“脈がある”って思ったから。いい転機になったよ」

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