夏エアコンで寒いオフィス問題 女性の仕事の効率を下げる
オフィスのエアコンが寒くてたまらない――。アメリカで夏になると、働く女性の間で必ず話題になるのがこれ。
日本では昨今、省エネのためにエアコンの温度も高めに設定されていると聞きますが、アメリカのオフィスの温度は1960年代、メタボ男性に合わせて設定された20度から22度のまま。
スーツ姿の男性と違い、ワンピースにサンダル姿の女性がセーターを着たり毛布をかぶったりしなければならないのは、明らかに女性に対する差別という論争がここ数年、夏のたびに繰り返されてきました。
ところが最近、オフィスの温度は仕事の効率に影響を与えているという調査結果が発表され、話題になっています。
南カリフォルニア大学の経済学者トム・チャング教授が、ベルリンの研究者の協力を得て、ドイツの大学生約500人に、16度から33度までの温度変化の中で、数学と言葉への反応テストを行いました。
その結果、女性の成績は温度が高くなるほど良くなり、男性は逆に下がることが分かったのです。温度上昇に伴う女性の成績の上昇度は、男性の成績の下降度を大きく上回ったそうです。つまり温度が高い方が、女性の仕事の効率が目に見えて良くなることがはっきりしたのです。