夏休み中が危険 未成年を勧誘する詐欺集団から子供を守る
詐欺組織が未成年者を雇うケースが増えてきている。
数年前も高齢者から騙し取ったキャッシュカードでATMから現金を引き出した「出し子」の容疑者として、警察が防犯カメラの映像を公開したところ、中学2年の女子が出頭してきた。
本来、未成年者は少年法で守られており、映像などは公開できないことになっている。警察は「20代と考えた」と説明するが、少女の写真はすでにネット上で拡散しており、映像公開に有識者らから非難が殺到したものだ。このように、警察も想定していないほど詐欺集団のメンバーが低年齢化しているのだ。
詐欺・悪徳商法ジャーナリストの多田文明氏がこう説明する。
「詐欺組織は『公開捜査』による逮捕リスクを減らす意味合いを含め、意図的に未成年者を使っている節があります。未成年者は社会的な常識が希薄なため、罪の意識が薄く、命令にも反論しないので指示に従わせやすい。また、脅しも効きやすく、繰り返しの犯行をさせやすいのです。未成年者自身も『お小遣いが欲しい』と思っているので勧誘しやすい。70代の男性宅に甥を名乗って電話をかけ、100万円を騙し取ったとして逮捕された少年2人は、『彼女とのデート費用や旅行代が欲しかった』と供述しています」