「のんびり働く」は幻想 夢の沖縄転職でハマった落とし穴
地方でのんびり暮らしたい――。都会で働く人にとって、一度は夢見ることではないだろうか。
IT企業で営業として働くAさん(38)がいろんな求人を見る中で目に留まったのが地方への転職情報。もともと東京近郊の出身で、勤務先も東京都内だったこともあり、「田舎でゆったりと子供を育てながら働くのも悪くない」と考えていた。
沖縄のコールセンターのマネジャー職の求人に家族は「いいんじゃない」と前向きな反応。応募したところ採用され、最初は単身赴任で様子を見ることにした。
学生時代に一人暮らしをしていた経験から意気揚々と現地に乗り込んだが、現実はそう甘くなかった。予想以上の忙しさに加え、本社が東京だったことから毎日のようにスカイプを使った会議があり、報告書の作成も頻繁に課せられる。
しかもコールセンターの激戦区だったことから、辞めた人員の補充や教育でてんてこ舞い。連日残業続きで生活も荒れ、10カ月後に退職を決意することになってしまった。