小島慶子さん<5>管理職には向かない 社内表彰で退社を決意
それでも会社員である以上、年次が上がれば管理職になることは避けられなかった。
「だから、今しかないと決断したのです。表彰されたその日の夕方、辞表を提出しました。周囲からは『今日、表彰式で賞をもらっておいて、おまえは何を考えているんだ』と、また怒られましたけどね。私はむしろ今日、やっと会社への借りを全部お返しできたと思えたのです」
真顔で引き留める人、何を今更と笑う人……15年目のフリー転身に対し、周囲の反応はさまざまだった。
「それでも私の気持ちは揺るぎませんでした。得意なラジオを生かして全国を回れば、何とかなるかなって」
10年6月、TBSを退職した。
「会社には感謝の気持ちしかありませんね。入社早々にはみ出して理屈ばかりこねていたわがまま娘を、よくもまあ15年もじっと育ててくれたなあと思います。ラジオに出合えたのも財産。入社前から一緒に遊んでいた仲の良い2人の同期にも恵まれた。TBSは今の私の礎です」