大岡玲
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大岡玲作家

1958年生まれ、東京外大卒。「黄昏のストーム・シーディング」で三島由紀夫賞。「表層生活」で芥川賞。小説執筆の他に書評、美術評論、ワインエッセーなど幅広い分野で活躍。「本に訊け!」「男の読書術」「新編 ワインという物語 聖書、神話、文学をワインでよむ」などの著作がある。東京経済大教授。

【物語の糸】超絶小説技法で愛を描く傑作アルゼンチン文学

公開日: 更新日:

 先週ご紹介した「クモのイト」の後半で、著者の中田兼介さんが「スパイダーマン」をはじめ、クモにまつわる創作をいろいろ紹介していたが、その中に私にとっては懐かしい「蜘蛛女のキス」が入っていた。20世紀アルゼンチン文学を代表する作家のひとり、マヌエル・プイグの作品だ。この小説を野谷文昭さんの訳で私がはじめて読んだのは、25、26歳の頃。当時は、四苦八苦しながら小説の習作を書いていた頃で、参考になりそうなものなら片っ端から目を通していた。「蜘蛛女のキス」もそのひとつだったので、懐かしかったのである。

 もっとも、全然参考にはならなかった。プイグは超絶の小説技法を駆使していて、創作に関しては生後6カ月程度の能力しかない私には、到底使いこなせるようなものではなかったからである。だが、作品には奇妙に蠱惑的な味わいがあり、すっかり引き込まれてしまったのをよく覚えている。

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