親も子も元気なうちが基本「元間整理」で注意すべきことは
離婚バツイチのお父さん。定年後は悠々自適の一人暮らし。駅から徒歩5分、家賃十数万円のマンションに暮らしていた。ところが、よもやの孤独死……。最愛の娘は相続放棄し、唯一の身内である兄が家じまいのために弟の家を訪れた。その兄がこう証言する。
「今まで一度も入ったことがないのですが、部屋を見てびっくり。壁をぶち抜くなど改造三昧。おまけにベランダでガーデニングをしていたようで、土を敷き詰め、ほぼ庭のようになっていました」
困り果てた末、家じまいアドバイザーの屋宜明彦さんに片付けの依頼をしたのだという。
屋宜さんがこう言う。
「私はアドバイザーの傍ら、生前整理から遺品整理までを請け負うスリーマインドという会社を運営しているので、そちらで片付けを行ったのですが、11階の部屋から何度も土を運んで階下まで下りました。退去には原状回復が条件になるのです。困ったのは、賃貸契約書が見つからなかったこと。生前に情報共有がされていれば、スムーズに家じまいができるのですが、この時は骨が折れました」