ヴィヴィアン佐藤さんの複業術「すべての仕事がつながる」
副業の取材を続けてきて気づいたことは「好奇心は人の活動根拠になり、素直さはファンをつかむポイント」ということだ。素直な気持ちで好奇心の示す先を進むと、まだ誰も知らない領域に到達する。その感覚や経験を、うまく形にすると新しい仕事が生まれる。
今回の取材は、とても感動した。取材相手はヴィヴィアン佐藤さん。ヴィヴィアンさんは、さまざまな紹介のされ方をする。非建築家、映画評論家、ドラァグクイーン、文筆家、美術学校の先生、イラストレーターなどなど。本人に副業のことを尋ねると、「もう本業、副業ってくくりはないですね。すべての仕事がつながっている感じ」と答えてくれた。
取材日にヴィヴィアンさんは、ちょうど映画批評のための作品を見てきたところだった。
「私は映画でも誤読を勧めています。原作者や監督の意図をくみ取ることだけが批評家の仕事ではありません。見る側の多様性は、作り手側には想像できない文脈を連れてきます。作品をよりいろいろな角度から感じられるように、より豊穣にするために、違う文脈を見つけるんです」