マグロ初競り最高値 大間漁師の苦節40年と1.9億円の使い道
「長年の夢がかなった。初競りで最高値を付けてもらうのは、漁師にとっては夢だ」
史上2番目、1億9320万円のクロマグロを釣り上げた青森県大間町の漁師、山本昌彦さん(57)は感慨深げに日刊ゲンダイにこう語った。
5日早朝、東京・豊洲市場(江東区)で開かれた今年最初の取引「初競り」で、大間産276キロの天然クロマグロが1億9320万円(1キロ当たり70万円)で落札された。昨年の3億3360万円には及ばなかったものの、史上2番目の「ご祝儀価格」となった。
初競りは午前5時10分、鐘の音とともにスタート。昨年より13匹多い72匹の国産天然クロマグロが並んだ。競り落としたのは寿司チェーン「すしざんまい」を運営する喜代村で、築地の本店に運ばれ、客に提供された。
漁師歴40年以上の山本さんにとって、起死回生の一本だった。中学卒業後、漁師の世界に飛び込み、マグロはえ縄漁船の船長になり、何度も初競りに出荷してきたが、最高値を付けることはなかった。