1日3時間×3カ月 中2レベルの英語力はアップするのか<3>

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 短期間で英語力を伸ばすと話題のコーチングサービス「プログリット」は自宅学習が基本だ。予め設定したスケジュールに沿って学習を進め、一週間に一度、校舎またはオンラインで面談を行う。

 学習そのものは難しいことはない。初級では中学英文法のドリルで基本5文型からおさらいし、単語や多読もベーシックなレベルから始める。テキストも市販の一般的なものだ。

 個人的には意外とおもしろかった。基礎を見直すことで「ああ、そうだった」と理解を深めるし、普段文章を書くことに頭を使っているので、ひたすら単語を覚える単純作業は脳にいい刺激が得られる。だが、毎日3時間の学習時間をつくるのはきつい。

「学習生産性が低下してしまうので睡眠時間を削ってはいけません。ただ、飲み会は二次会を断って、3カ月は学習を優先してください。そうやって生活を見直してみると意外と学習時間はあるものです」

 筆者の学習を担当してくれたコンサルタントの蜂須賀杏菜さんは言う。面談では学習のみならず、スケジュールに対するアドバイスも行っている。

「電車通勤であればその時間で単語や多読ができますよ」と蜂須賀さん。ただ、筆者は文筆業という職業上、通勤がなく仕事も不規則。余裕で3時間取れる日もあるが、早朝から終電近くまで取材で外出している日もあるため、なかなかリズムが作れないのだ。言い訳かもしれないけど……。

 しかし、それでも続けられたのはLINEアプリを使ったコンサルタントとのやり取りがあったからだろう。日々、学習開始と終了を報告するので「やらねばならぬ」と義務感が生じる。特に数分の英語音声をひたすら繰り返す“シャドーイング”は、学習の最後に音声を送信して添削してもらうため成果を実感でき、やりがいへとつながった。

■数分の英語音声をひたすら繰り返す

 週に一度の面談で行う単語や文法のミニテストも大きい。これをクリアしないと先に進めないので本気になるし、中学レベルとはいえいい点を取るとやっぱりうれしくてやる気が出る。

「小さな成功体験の積み重ねが大きな目標の到達へとつながるんですよ」

 蜂須賀さんが言う。LINEや面談を通して発音や文法の疑問点にも丁寧に答えてくれるコンサルの存在は重要だ。実は、私の苦手意識は中学の英語の先生に嫌われたというトラウマから来ているのだが、蜂須賀さんは「同じような思いを抱えている方ってけっこう多いんです。でも毎日英語に触れているとそうした劣等感も薄れていきます」と親身に支えてくれる。

 確かに毎日に必死なのでトラウマなんぞにかまっているヒマはなかった。それどころか、時が経つにつれてテレビに流れる海外のニュースも字幕より英語に耳を傾けるようになったし、街で見かける英語もその意味を自然と考える自分がいた。理解しているかは別として、毎日続けることで学習が習慣化し、英語が身近になったのだ。

■3カ月後の変化は…

 さて、3カ月後、筆者の英語力はどうなったか。

 プログリットでは学習の最初と最後に「VERSANT」を受ける。ビジネスで使える英語力を測定・分析するテストで、米国防総省などの政府機関でも導入されているものだという。実は筆者、最初のテストでは27点(満点は80点)というとんでもなく低い点数を叩き出していた。しかし、3カ月後は36点。これでも日本人の平均程度の平凡な点なのだが、「VERSANTは非常に点数が上がりにくいテストで、プログリット学習でも1カ月につき1点アップが目安です」と蜂須賀さん。つまり、9点アップは想定以上の効果があったということらしい。

 しかし、その時点では正直いって実感はなかった。もっと高レベルの人はまた違うと思うが、中2レベルだった私は相変わらず話すことはできない。

 実感したのはプログリットを終えて半月後にベトナムに出かけた時のことだ。ホテルのフロントで話をする時にごく自然に言葉が出たのだ。もちろん至極簡単な会話なのだが、日本語と同じように無意識に出たことに驚いた。この感覚、この小さな小さな成功体験が大事なのだと感じた一瞬だった。

 プログリットでは最終日に年間の学習スケジュールを作成してくれる。コンサルタントのサポートはないが、3カ月で身に着いた生産性の高い学習の習慣化と成功体験が続けるための礎となっている。英語を話せる自分になるために。「ローマは一日にして成らず」なのである。=おわり

(取材・文=中川明紀/ジャーナリスト)

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