建設やサービス業「テレワークできない企業」のコロナ対策

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 コロナ対策では国の対応が一番生ぬるい。政府には頼れないと、企業が続々と独自の感染防止策を講じている。日経新聞によると、大企業の約半数が在宅勤務(テレワーク)を導入。だが、中小企業からは「わが社にテレワークはムリ」という声が聞こえてくる。

 ◇  ◇  ◇
 
 NTTはグループ従業員20万人のテレワークや時差出勤を実施。NECも現業部門を除く6万人がテレワークに切り替えている。出張や会議、社内イベント中止も多い。

 ただし、余力のある大手企業ならいざ知らず、中小企業だとそうもいかない。とくに物流や建設業に携わる企業の社員は、今も不安を抱きながら外で働いているのが現状だ。ノークリサーチが中小企業を対象に調査したところ、「建設業」「一般サービス業」「運輸業」を中心に「わが社にテレワークは適さない」という回答が多かった。

 ただし、この人たちがいるからこそ、トイレットペーパーなど生活必需品が全国に行き渡っているのも事実。もし仮に物流などに携わる人まで大企業と同様にテレワークを始めれば、非常事態になりかねない。

 新型インフルエンザ対策専門家会議の被害想定では、「第2段階(国内発生早期)」で食料品や生活必需品の買い占めや価格上昇が起きると当初から予想している(表)。これからは現業部門で働く人たちをいかに守るかが重要になってくる。

 それだけに企業のコロナ対策は重要。従業員を守るために各社がどんな対策を施しているのか集めてみた――。

■kmタクシー(陸運業)

 グループ全体で4000台を超すタクシー・ハイヤーを保有。タクシー業界は「濃厚接触」への警戒から売り上げが減っているが、業界大手のkmタクシーが導入しているのが、強力除菌液「ハセッパー水」だ。

「すでに8年前から長野県の企業が開発した除菌液『ハセッパー(Haccpper)』を使用しています。次亜塩素酸水を使った除菌液で、車両の消毒はもちろん、運転手の控室にも超音波加湿器による空中噴霧を行っています。またお客さまの手の消毒、車内換気にも協力していただいております」(広報担当)

 ハセッパーは通常、濃度200ppmで使用されるが、室内の噴霧は4~5倍に薄めて使う。次亜塩素酸ナトリウム(ソーダ)を使った消毒は珍しくないが、人体への害も指摘される。だが、このハセッパーは特殊な技術でpH値を変え、無害なものだ。

■ダイワコーポレーション(倉庫業)

 東京と神奈川で倉庫業を営む同社。従業員の多くがコンテナ入庫などの作業を強いられている。

「すでに中国からのコンテナ入庫に遅れが生じておりますが、弊社の品川や横浜の倉庫団地は他社も同居しており、一人でも感染者を出せば全体が封鎖の可能性もあります。会社にあるマスクはすべて社員に配りましたが、ほかにはセコムの安否確認サービスを使い、社員の毎朝の検温を報告させています。本来は震災時に使うものですが、応用させていただいております。さらに休校による子供の世話のための休みは、『特別休暇』とすることに決めました」(担当者)

■大正大学(教育業)

「学長をトップにしたプロジェクトを発足し、すでに今月16日の卒業式、28日のオープンキャンパスなどは中止にしました。各教室にアルコール除菌剤を置き、入学試験の際は受験生の椅子の間隔を広げました。さらに、休憩時間中は多少寒くなりますが、窓を開けて換気を行っています」(広報課)

■エイトジム(サービス業)

 静岡県長泉町にある24時間営業のフィットネスジム。安倍首相がスポーツジムの利用を自粛するようコメントしたが、会員からは営業続行を期待する声が多いという。

「トレーニング機器は会員の利用後にふき取り清掃し、さらに30分に1度の除菌スプレー散布も行っています。またウイルス不活化に効果的な溶剤入りの噴霧器を2台設置しました」(広報担当)

■楓工務店(住宅建設業)

 初期の段階で、観光バスの運転手の感染が確認された奈良県では、企業の対策も素早い。

「当社は注文住宅などを手掛ける工務店ですが、従業員同士の会議のほか、お客さまとの交渉もチャットワークを活用しています。また、グループ会社が橿原市で幼稚園を経営していますが、こちらは抗ウイルス効果が期待されるイオニアミストの噴霧を行います」(担当者)

■レセプショニスト(IT・サービス)

 クラウド受付システムの同社。社員の5割がリモートワーク、3割が時差出勤を行っている。

「もともとテレワークは取り入れていましたが、『社員がサボるのでは?』とよく他社の人から聞かれていました。ですが、自宅作業の開始前にチャットで勤務時間と勤務内容を報告してもらい、オンライン会議なども行うのでサボることはできません。とはいえ、成果を重視しますので自分の意思で働き方を決めても構いません」(担当者)

 ◇  ◇  ◇

 今のところ国の対策が最も遅れているため、企業は独自に知恵を絞っていくしかない。

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