村西とおる
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村西とおるAV監督

1948年、福島県生まれ。バーテン、英会話教材のセールスマン、テレビゲームリリース業を経て、裏本制作で「裏本の帝王」と呼ばれ、その後、AV監督として一世を風靡。これまで3000本のAVを制作し、「AV界の帝王」としても有名。

【Q】飲み屋でガハハと大笑いする若者をどう注意すれば?

公開日: 更新日:

 今も週2、3回は仕事や同僚との付き合いで居酒屋などに飲みに行きます。気になっているのが若い世代がグループでやってきて、うるさいことです。ワハハ、ギャハハと大声でバカ笑いして相手の声が聞こえなくて話ができないことがしょっちゅうです。天井も高くて静かな店にしようとすると、値段が高かったりして、それはそれで都合が悪い。先日は焼き肉を食べたのですが、通路の向こうのグループががなりたてるので、たまりかねた同僚が「おまえら、うるさい」と言ったのに聞こえないのか知らんぷり。店員に言うと「そうですよね」と注意してくれたみたいだけど、ダメ! 声が大きくなるのはお互いさまの面もあるけど、ガハハとバカ笑いするのだけはやめてほしい! どう注意したらいいですか。 (東京在住・59歳)

 ◇  ◇  ◇

 自分の性質に合わないことに遭遇しても、シンプルに気分を害し、人生の大切な「憩いのひととき」を台無しにしては損でございます。

 あなたさまのおっしゃる通り、公衆の場であるにもかかわらず、傍若無人に騒いでいる若者を見て不快な気持ちとなり、もう少し自制的な振る舞いを、と思わぬわけではありません。

 が、若者たちのけたたましさは若さゆえの特権でございます。あの年頃で、焼き肉屋で精進料理をたしなむごとき年配者のあなたさまのように静かであっては、逆に心配です。

 飲むほどに、酔うほどに、血湧き肉躍り、ああしたパワーあふれるバカ騒ぎができてこそ、これからの艱難辛苦の人生の坂道を上りきることができるというものです。

 まだ何者でもないクセに粋がり、いかにも一人前のように見せている背伸びぶりが鼻につくのではございますが、人生の大海原にこぎ出す若き船頭の不安と期待の高ぶりと、おめこぼしを賜りたいのです。

 ガハハとのバカ笑いに敵意を抱かれておられますが、彼らはそのことをなんとも思っておらず、あなたさまの存在さえ眼中にないのです。

 知人の男は株の相場を張っています。毎日何億の相場で命がけのばくちを打っている身では神経がシャッフルし、ドンチャン騒ぎで浴びるほど酒を飲まなければとても眠れないと、夜ごと朝まで飲み明かす日々を送っています。

 男にとっての銀座で赤い灯青い灯は夜のチョウの待つただのネオンではなく、明日の戦いのエネルギーを酒の点滴で充電する、まさに命の洗濯、救急センターの明かりとなってございます。

 かくのごときに挑戦しようとする人間には、命を削るほどの数々の困難が山ほど待ち構えています。しかし、その壁は高く、秘匿していた自己満足のうぬぼれが粉々に砕け散り、よりどころだった自尊心や傲慢さはビールの泡のごとくに消えうせています。これから先、自分は何をすべきか、どう生きていけばいいか見当がつかずに酒の力に頼って咆哮しているのです。

 そうした不安定な境遇にある青年たちの無礼講を目の当たりにしても、かつての自分もそうであったと、我が息子を見るような温かいまなざしで見守ってやって欲しいのです。やがて彼らはいつか日本経済の屋台骨となり、あなたさまの老後を支える存在となるのです。いつか自分の面倒を見て力を貸してくれると考えれば、ほほ笑ましく見守ることができるというものです。

 人に優しく接するほど健康にいいことはありません。逆に嫌ったり悪口を言うといつか健康を損ないます。若者への批判は有史以来のものですが、彼らを批判しても何の得にもなりません。すべてはよい方に見てあげて、若者のいつか来た道を祝し、いつか来る道の道標を自らの寛容さで示していただきたいのです。

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