マスクで熱中症リスクが高まる理由 子供には窒息の恐れも
6月9日、45歳の男性陸上隊員が死亡した。死因は心筋梗塞。10kgの荷物と小銃を携帯しながら20kmの「徒歩行進訓練」後、別の訓練までの休息時に倒れたという。陸上自衛隊第一師団の発表では、隊員間の距離を取っていたため、亡くなった陸上隊員は訓練中、途中からマスクをあごにずらしていたという。
マスク……ということから、「マスクによる熱中症で亡くなった?」と思い、国際医療福祉大学熱海病院検査部長の〆谷直人医師に質問をぶつけてみた。
「心筋梗塞ということから、熱中症ではありません。脱水で血液がドロドロになり、血栓ができやすくなったことが原因です。一般的に『夏血栓』と呼ばれています。しかしながら、猛暑日のマスクは脱水を起こしやすくするため、夏血栓に対しても熱中症に対しても、リスクを高める。新型コロナウイルス対策でマスク装着が日常化していますが、装着には注意が必要です」(〆谷医師=以下同)
■子どもは体温調節機能が未熟
なぜ、マスクが熱中症などのリスクを高めるのか? まずは、感染予防のためにマスクを外してはいけないという気持ちから、結果的に水分補給の回数が減ってしまうから。熱中症対策の基本は、言うまでもなく水分補給だ。喉が渇いたと思ってから飲むのでは遅い。例年以上に意識して水分補給を心掛けたい。