ションベン横丁と小便小僧 大阪十三のキャバレーの思い出

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「杭全」「十三」「放出」。テレビのクイズ番組になるほど大阪には読めない町(地)名がある。物知りの大阪のおばちゃんですら「わからん」と悩むくらいに。

 私(78)と連れの漫画家(72)は夕刻迫る「十三(じゅうそう)」の街に立った。阪急の梅田駅から神戸線、宝塚線、京都線のどれに乗っても十三駅に着く。

 改札口の西口に出ても、東口に出ても、この街には「昭和」の路地と誘惑がある。特に西口周辺に人が多い。「安い、うまい、早い」。これが十三のうたい文句。牛かつ、チヂミ、ホルモン。「100円、200円」の料金が目に入る。

 赤い灯、青い灯。夜のこの繁華の街に誘ってくれたのは昭和46年春入社の同期で、広告部の「三木やん」だった。

「キャバレーに行こ」

 よく誘ってくれた。薄暗い店内。誘導されたソファに座ると、すぐ2人の女性が横に来た。三木やんは気は優しいが口は悪い。「化粧と香水で化けとるんや。おばはんやで」と言いながらチップ1000円を彼女らの胸に突っ込んでいた。

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