【銀座ロックフィッシュ】「ハイボールの館」管理人の覚悟

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 “コロナ震源地”としてやり玉にも挙がった夜の銀座。7丁目の雑居ビルに店を構えるハイボールの名店「ロックフィッシュ」は10分の1まで売り上げが激減、大打撃を受けた。店主の間口一就さんは苦笑いしながらこう話す。

「2年前に現在の場所へ引っ越したばかりということもあり、貯えはさほどありませんでした。当座をしのぐために定期預金を解約したものの、家賃や光熱費、人件費などであっという間に消えていきました。5月末の時点で所持金は数万円程度。いただきものの商品券を換金して仕入れに行った時は、涙が出そうになりました……」

 むろん、ただ手をこまねいているわけではない。3月にはランチ営業、4月にはテイクアウト用のお弁当販売をスタートさせた(現在はいずれも終了)。お弁当を買いに来たついでに一杯引っかけることにも躊躇する客が増えたことを目の当たりにし、できる限りの「見える安心」を整える必要性を感じたという。

 休業要請を受け入れて休業した1カ月半の間に店内の改装に着手。立ち飲みカウンターは、従来より客同士の間隔に余裕を持たせた上でアクリル板(5ミリ幅)で区切り、正面にもアクリル板(3ミリ幅)を設置。同じ飛沫対策でもウニャウニャと波打って視界を妨げ、圧迫感を与えやすいビニール製は避けた。テーブル席にはローラーブラインドを設置。指名買いが多いという次亜塩素酸を使用した空間除菌脱臭機ジアイーノもフル稼働させる。

期間限定の酒販免許も取得しワインの店頭販売も

 手探りでクラウドファンディングも立ち上げた。オリジナルのトートバッグやグラス、ドリンクチケットなどのお返しを用意し、目標の200万円を上回る支援総額538万円を達成。2002年の開店以来、唯一無二の一杯を目当てに通い続ける客とのつながりを実感したという。

「店主であれば利益を度外視することはできませんが、コロナ終息までの出口がなかなか見えない中、ビジネス至上主義だけでは疲弊してしまう。自分はロックフィッシュを求めてくださる皆さんに応えて“場”を提供する管理人――。カウンターに立つ間だけでもそう思えることが、モチベーションにつながっています」(間口さん)

 期間限定の酒販免許も取得しワインの店頭販売も始めた。その名も「かさごのワイン グイグイ」。これが酒飲みの心をつかんで離さない管理人の底力だろう。

▽銀座ロックフィッシュ
東京都中央区銀座7―3―13 ニューギンザビル7階
℡03・5537・6900

▼間口さん初の酒飲みエッセー「バーの主人がひっそり味わってきた酒呑み放浪記」を日刊ゲンダイ読者5人にプレゼント。希望者はハガキに①氏名②住所③電話番号④年齢⑤職業を明記の上、〒104―8007 日刊ゲンダイ「ロックフィッシュ店主本プレゼント」係まで。10月23日の消印有効。

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