【醤爆青蟹 渡り蟹の豆板醤煮込み】殻付きタレまみれだからウマイ
四川料理・神楽坂芝蘭(東京・神楽坂)
青蟹とは渡り蟹のこと。オスは春、メスは11月から来春までが旬だ。
「オスより身が詰まっているのでやっぱりメス。生きている渡り蟹はスーパーで700円程度で入手できますよ」
日本の塩茹でした蟹や韓国のケジャン(蟹キムチ)も手づかみで食す。醤爆青蟹も躊躇せずにしゃぶり吸いつこう。おお、身がふわふわで蟹の甘さとピリ辛タレがよく合う。
「肉も骨の周りがおいしいように蟹も殻に身がついているからおいしい。手を汚しながらしゃぶるのが蟹の醍醐味です」
殻ごと煮ることで、うま味も出る。ただ、蟹によって塩分が違うので、最後のタレの砂糖や塩の味付けは一度味見をしてからのほうがいいそうだ。
《材料》(1人前)
・渡り蟹 1匹
(甲羅が15センチくらい)
・砂糖 小さじ1
・塩 小さじ1
・水溶き片栗粉(水1対片栗粉1) 大さじ3
・卵 1個
・パクチー 適量
・豆板醤 大さじ2
・ニンニクみじん切り 小さじ1
・ショウガみじん切り 小さじ1
・醤油 大さじ1・5
・水 適量
《作り方》
(1)生きている蟹は氷水に1分入れてシメる。
(2)蟹を流水でよく洗う。汚れが気になるなら歯ブラシを使う。甲羅は外して1分茹で、盛り付けの飾りに使う。
(3)エラとフンドシを取り除き、すべての足の先をカット。甲羅のトゲも包丁でこすって取る。胴体は縦に半分、足は付け根からカットする。好みで全体を4等分から8等分に。
(4)身肉の部分にだけ片栗粉をつけ、180度近くの油で1、2分揚げて油を切っておく。
(5)フライパンにニンニクとショウガと豆板醤を入れ、炒める。香りが出たら醤油を入れ、蟹が3分の1くらい浸る程度に水を注いで沸かす。
(6)⑤に揚げた蟹を入れ、砂糖、塩を入れたあとに水溶き片栗粉を入れ、中火で20秒ほど煮る。
(7)⑥に溶き卵を入れてとじたら出来上がり。お好みでパクチーを添える。
▽外崎昇太(とのさき・しょうた)
1985年、埼玉県入間市生まれ。テレビ番組「料理の鉄人」で「包丁、フライパン、火力」の中華料理の豪快さに魅了され、高校時代から料理クラブに入部。卒業後は銀座アスターに就職して14年間修業。中華の過門香や寿司店などで腕を磨き、今年2月から芝蘭の料理長に。
▽四川料理 神楽坂芝蘭
2010年にオープンした神楽坂芝蘭は古典的四川料理を再現しつつ、日本人好みにアレンジ。「芝蘭」は霊芝と蘭を組み合わせた形容詞で、香りがよい草を意味する。看板メニューは四川ダックと麻婆豆腐。四大中国料理は四川、広東、山東、江蘇だが、四川は食材と調味料の豊富さで人気。四川省の人口は約8000万人もいる。オーナーは毎年四川省を訪れ、現地の流行など情報収集を欠かさず、故郷福井の越前焼や京都の器にもこだわっている。豊洲にも店舗を構える。
東京都新宿区神楽坂3―1 クレール神楽坂Ⅱ 2階
℡03・5225・3225
11~15時、17~23時。年末年始を除き無休。
※営業時間はご確認下さい