鼻出しマスク受験生失格騒動 法的には議論が分かれる問題
先週行われた大学入学共通テスト。そこで49歳の受験生が、試験監督者からマスクから鼻を出さないよう繰り返し注意された問題が大きなニュースになりました。別室での受験の指示などを受けていたにもかかわらず、すべて無視。それが「不正行為」とみなされて、成績無効とされたとのことです。さらにその受験生は、会場のトイレに立てこもり続けたため、不退去罪で現行犯逮捕されました。トイレ立てこもりは当然犯罪ですから同情の余地は乏しいでしょう。また同室の他の受験生からすれば、集中力がそがれたり、会場移動をしなければならなくなったわけですから、たまったものではないだろうなと思います。
しかし、そもそもの問題として、「試験場内では常にマスクを正しく着用してください」(受験上の注意)という規定には問題はないのでしょうか。文言上は、マスクから鼻を出すことが良いとも悪いとも書いていません。「メガネが曇るのでマスクをしなかった」という事情があって鼻を出していたことのみをもって、マスクを「正しく着用」していないということになるのでしょうか。