話題の雑談アプリ「Clubhouse」基本のキと意外な使い方

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 フェイスブックやツイッター上に「Clubhouse(クラブハウス)の招待枠いただけませんか?」という投稿が相次いでいる。これは音声版ツイッターと呼ばれるアプリで、招待を受けたユーザーのみが楽しめる。ラジオリスナーとの親和性も高い。

  ◇  ◇  ◇

 クラブハウスは、昨年3月に米国サンフランシスコのベンチャー企業「Alpha Exploration」がリリースした音声アプリ。現在はiPhoneなどのiOSアプリのみに対応、世界に200万人超のユーザーがいて、日本にはここ数日で上陸した。

 記者も自身のSNSを開いたところ、「招待枠持っていませんか?」の投稿で埋め尽くされていたことで、このブームを知った次第だ。連日ネットを騒がせる魅力はどこにあるのか?

 ユーザーでもあるITジャーナリストの三上洋氏が解説する。

「『ミクシィ』以来の招待制SNSで、当初1人につき2人の招待枠が与えられました(現在は追加枠もある)。しかも、スマホに電話番号が登録された知人同士でないと招待できないことから、“閉ざされた”空間です。有名人やタレントのユーザーの登録も相次いでいたことから、自分も同じ空間に招待されることで特権階級感を味わえる。そこに、コロナ禍で飲み会や人と会う機会が減っている影響もあり、仲間と会話を楽しめるSNSに注目が集まったのです」

 だったらZoomでいいじゃないかと思う人もいるかもしれないが、Zoomと違って音声のみだからボサボサ頭でもいいし、ながら作業をしながらラジオを聞くように、公開されているroomに気ままに入室し、興味がなくなれば黙って退出できる。言うなれば、“参加も”できるラジオだと思えばいい。すでにタレントの有吉弘行河野太郎行革大臣らもいち早く、参加。仲間内のトークなどをユーザーに公開している。

 利用料は無料だが、今のところ言語表記は英語のみ。アプリはApp Storeからダウンロードできる。

 roomを作成するときは、オープンにするか仲間内だけのroom(クローズド)にするかを選択できるので、「知らない人はちょっと……」という人も安心だろう。1対1(自分を含む複数のグループ)の会話もできるし、オーディエンスとして、バンドの演奏や企業のセミナーを聞くだけの利用もできる。

「さらにZoomとの違いは、コメントや写真のやりとりはできないことです。その分、普段の電話のように音声がきれいで、仲間内の会話ならZoomのようなタイムラグも気にならない。LINE電話とも違うのは、その場で友人の友人など普段はあり得ない組み合わせで自然に会話できること。roomの主催者(モデレーター)に手のマーク(挙手機能)を押して許可されたら会話に参加できます」(前出の三上氏)

基本は黙ったまましゃべらない

 注目は、新型コロナウイルス禍ならではのroomの存在。リモートワークに行き詰まったサラリーマンの憩いの場になっている。

「『作業room』では、基本は黙ったまま。休憩タイムなどちょっと雑談したいときに使います。誰かとゆるくつながれるのも、はやった理由でしょう。すでにクラブハウスから離れられない中毒者が出ていますね」(前出の三上氏)

 なるほど、何かに似ているなと思っていたが、ナマの職場にいる感覚と同じなのだ。普段は社員同士が黙々と仕事をしている職場も、誰かがネタを振ると雑談が始まったりする。パソコンのキーボードを叩く音などの雑音があった方が集中できるという理由でスターバックスに行って仕事をしている人もいるが、ストックホルム大学の研究でも多少の雑音があった方が学習効果が上がったとの研究結果が出ている。会話によるコミュニケーションがなければ業務効率も上がらない。つまり、リモートワークが浸透してしばらく経ったことで、「以前のような職場環境がいい」と先祖返りのような現象が起き、そこにクラブハウスがうまく登場したというわけ。

 職場のメンバーがクラブハウスで結ばれながらリモートワークをすると、「リポートできたか?」「まだっス」「おいおい、早く終わらせて家に帰らせてくれよ」「先輩は今、家でしょ」なんてコミュニケーションが成立するだろう。

■スポーツバーにいる感覚で野球観戦

 コロナに感染し、自宅療養、ホテル療養になれば最低10日は隔離生活を送ることになる。体調不良に加え、孤独感による不安にさいなまれるが、そんなときもクラブハウスは活用できる。アプリをつなぎっぱなしにして、話したいときに話すroomにしておけば24時間寂しくないし、メンバーが複数いれば急な体調不良の際に誰かが気づいて救急車を呼んでもらえるかもしれない。

「クラブハウスは、『iPad』からも利用できるので、コロナ禍でなかなか会えない祖父母と孫のコミュニケーションの場にもなります。Zoomのように事前の日時設定をする手間もいらない。無料ですし、電話に代わる手段として気軽に使えます」(ITジャーナリストの井上トシユキ氏)

 また、仲間と一緒にできなくなったマラソンや筋トレもクラブハウスでつながっていたら、体を動かしながら、イヤホン越しに励ましあって頑張れるものだ。「今、皇居前にいる」「俺は大手町駅だ。5分後に合流しよう」――といった偶然も生まれるだろう。

 野球やサッカー観戦、アイドルのライブビデオを見ながらつながるのも面白い。部屋で気兼ねなく、大声を出しながらお酒を飲んで、うんちくを語って盛り上がる。視聴対象をオープンにすれば見知らぬファン同士でも楽しめるし、どれだけしゃべっても飛沫を気にする必要もない。緊急事態宣言の延長で行けなくなったスポーツバーで、大勢と盛り上がる感覚を再現できる。

 国や都が強引にオリンピックを無観客で開催した時も、この雑談アプリが活用されるかもしれない。 

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