超レア!赤ちゃんクジラを育てる“イルカママ”がNZで話題に
母親を失った動物の赤ちゃんを別の動物のメスが育てる--時々見られる現象だが、ここまでサイズが違う組み合わせは珍しいと話題だ。
ニュージーランド北島の湾「ベイ・オブ・アイランズ」でバンドウイルカのメスがゴンドウクジラの赤ちゃんを育てていることが分かった。
この“親子”は3月6日と4月12日に確認されていて、少なくとも5週間は行動を共にしているという。
イルカとクジラの“親子”を発見したのは、ニュージーランドに拠点を置く「ファーアウト海洋研究共同体」の海洋生物学者たち。
バンドウイルカは最大で体重300キロにしかならないのに対し、ゴンドウクジラはその約7倍の体重2トン、体長6メートルにまで成長する。イルカが他の種類のイルカの子育てをすることはたまにあるが、ここまで体の大きさが違うケースは極めてまれだという。
なぜ、この母イルカは、すでに自分より大きなクジラの赤ちゃんを育てているのか?
生物学者のヨッヘン・ゼーシマーさんは「イルカは自分の子供を亡くしたのかもしれない」と推測。行き場を失った母性本能が、母親を亡くしたクジラの赤ちゃんに向かった可能性があるという。
何が原因であるにせよ、クジラが離乳期を過ぎたらこの“親子”は離れ離れになるだろうと、専門家たちは予測している。イルカとクジラでは、食料の捕獲パターンが違いすぎるからだそうだ。