持ち歌1000曲!カラオケのライブ配信はコロナ禍で需要増
片瀬萌南さん(24歳)本業=派遣社員
YouTuber、配信者、ライバー。これらの言葉は一般化したと言える。特に最近はライブで参加者とのコミュニケーションをしながら配信するゲーム実況、歌ってみた、踊ってみた、ラジオ、雑談、物申す系などが人気だ。
今回、紹介するのは片瀬萌南さん。カラオケの配信者として活躍し、コロナ禍での需要を上手に乗りこなしている。
片瀬さんのYouTube公式チャンネルは登録者数が1万3000人超。miwaの「片想い」を歌った動画は100万回再生を突破した(現在は削除)。
筆者も片瀬さんのYouTubeLiveに参加したところ、コメントを書き込むとすぐに反応して、あいみょんの「裸の心」をリクエストしたら歌ってくれた。配信中はファンからのコメントが途切れず、歌った後の良きタイミングで投げ銭もあった。
片瀬さんが配信しているのはKARASTA、ミクチャ、YouTubeLive。いずれもスマホ1台あれば配信可能なメディアだ。
「全部の配信を合わせると、ほぼ毎日配信しているかもしれません(笑い)。時間帯は20時から23時くらいの間で、みなさんの仕事が終わって、参加しやすい時間帯に設定しています。KARASTAは歌が好きな人が多くて1時間配信、ファンの方と濃くコミュニケーションできて、平均90人くらいの方たちが来てくれます。ミクチャだと女優さんやモデルさんを目指している方が多いので、歌の配信はけっこう目立ちます。4時間くらいのイベント参加で、盛り上がる感じの選曲をして、延べ3000人くらいの参加者。YouTubeLiveは、2時間くらいの配信で再生回数1000回くらいですかね。配信メディアによって来てくれる方たちの属性は異なります。媒体に合わせた選曲や接し方が大事です」
片瀬さんの持ち歌は1000曲を超える。最近はどんな歌が人気なのか。
「YOASOBI、緑黄色社会、ハニーワークス、あいみょんなどは人気があります。ボカロ系だと、グッバイ宣言、千本桜、おじゃま虫ですね。振り付けでもっと盛り上がる時もあります。セットリスト(演奏曲順リスト)も企画が大切で、ドラマ主題歌、アニソン、ジブリ、恋愛ソングなどで縛りをつけたり、6月だったら、雨やジューンブライド、7月だったら花火やお祭りをテーマに選曲しますね」
収入を聞いた。
「配信メディアから手数料が引かれますが、一番多かった月で投げ銭が100万円を超えたことはあります。大学卒業してから本業は派遣社員としてデパートの館内放送や電話応対などの声を使う仕事や受け付け業務をしていました。配信は副業でしていたのですが、コロナ禍で派遣社員の仕事がなくなってしまったんです。今は配信の仕事に助けてもらってます」
コロナ禍需要の表と裏
コロナ禍での需要の表裏を聞いたような感じだ。今後の展望を聞いた。
「配信はファンの方たちとも交流できて楽しいのですが、収入はとても不安定です。本業プラスの副業という感じの位置付けだと経済的にはいい感じになると思います。配信をきっかけに、イベントや大会に参加することもあって、カラオケの大きな大会やカラオケワールドチャンピオンシップ日本大会2017年、18年では連続で決勝まで残ることができました。もっと大きいステージで歌えたり、テレビや映画の挿入歌・主題歌に選ばれたり、プロの歌手として活動できるようになったらうれしいです」
歌の配信系で最近話題になった人に広瀬香美がいる。Official髭男dismの「Pretender」、King Gnuの「白日」などを広瀬風のアレンジでよみがえらせた。片瀬さんの配信も、片瀬さんの歌い方でファンを魅了する世界があった。