「都道府県魅力度ランキング」下位の発表は違法? 考えられる法的措置と予想される結論
あなたの住んでいる地域や故郷の魅力度のランキングが下位だと、何となく気分が悪いですよね。民間調査会社「ブランド総合研究所」が発表した2021年都道府県魅力度ランキングで、群馬県が44位(前年40位)に沈んでしまいました。
これを受け、群馬県の山本一太知事は会見で、「県民に対し失礼だし侮辱している」、そして観光業など経済的な損失にもつながるとして「法的措置を含めた検討を始めた」と発表しました。これまで最下位になった県が、この結果を逆手に取ったPRをしたり、同県出身タレントが自虐的に引用した場面を目にしたことはありましたが、ランキング発表を真に受けて法的措置をチラつかせた知事は初めてではないでしょうか。
もし本当に措置を行う場合、名誉毀損や県民の名誉感情侵害などを理由にランキング発表の差し止めや逸失利益などの損害賠償請求をすることが考えられます。認知度、魅力度、観光意欲度、居住意欲度などの指標に関して、データ収集の結果、「総じて群馬県の得点が低かった」「都道府県で上から44番目の得点だった」という事実を発表・公表しているのですから、「公然と事実を摘示したもの」として名誉毀損にはあたる可能性はあります。