新変異型「オミクロン株」世界震撼!感染縮小中の日本で上陸許せば“猛拡大”の恐れ

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 南アフリカの保健当局が25日に発表した、新型コロナウイルスの新たな変異株(新南ア株)に衝撃が走っている。各国政府は警戒を強め、株式市場も世界同時安の展開となった。日本は現在、際立って新規感染者数が少ないが、小康状態の今こそ猛拡大のピンチ。史上最悪の変異株が上陸すれば、一気に蔓延する恐れがある。

  ◇  ◇  ◇

 世界保健機関(WHO)は26日、「懸念すべき変異株」に分類すると発表し、名称は「オミクロン株」とした。

 南アでは今月上旬、新規感染者数は数百人程度だったが、足元では2000人を超え、今後も爆発的増加が予想されている。新南ア株が主な要因だ。新南ア株は最大都市ヨハネスブルクのあるハウテン州を中心に77人の感染者から確認された。隣国ボツワナの他、香港でも南アからの旅行者から検出されている。

 英BBCによると、新南ア株は予想以上に大きな進化を遂げ、これまでの変異株よりはるかに多くの変異が起きているという。専門家は「これまで見た中で最悪の変異株」とコメント。免疫回避力と感染力がともに高い可能性が指摘されている。

■「ファウンダーエフェクト」への懸念

 今、日本は感染者数がかなり低い水準だが、気になるのが、「ファウンダーエフェクト(創始者効果)」と呼ばれる現象だ。

 感染者数が少ないエリアに新たな変異株が進出すると、急増する傾向にある。今春の第4波は、第3波の感染が収まっていた関西にアルファ株(英国型)が入り込み、一気に広がった。当時の厚労省の専門家会議でも「ファウンダーエフェクトが関与しているのではないか」との指摘があった。

 現在、感染拡大が深刻な欧州や韓国ではなく、感染が収まっている日本こそ、新たな変異株の大流行国になる可能性があるのだ。何としても新南ア株の上陸を許してはならない。

 出入国在留管理庁の発表によると、南ア国籍の入国者は9月が26人、10月は38人。11月8日からは南アからの入国者の施設待機が「ゼロ日」となり、11月も相当数の入国者が見込まれる。

全検体ゲノム解析の重要性

 松野官房長官は「現時点では空港検疫を含めて日本国内では(新南ア株は)確認をされていない」と語った。さらに、水際対策の強化を発表。南アを含め周辺6カ国からの入国者に指定宿泊施設での10日間の待機を義務付け、27日から実施する。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう指摘する。

「6カ国の入国者に待機を義務付けるだけでは不十分です。空港検疫では精度の低い抗原検査からPCR検査に改める必要があります。さらに空港検疫と国内で見つかった陽性者の全検体について、ゲノム解析を行い、新南ア株を早期に発見できる体制を整えるべきです。感染者数が少ない今なら可能です。そうでなければ、これまでの変異株と同様に、新南ア株の上陸を許し、市中に蔓延させてしまいます」

 岸田政権は新南ア株を防げるのか。

■米、EUは南アなどに渡航制限

 バイデン米大統領は26日、南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株の感染拡大防止のため、29日から南アをはじめ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイの計8カ国との間の渡航を制限すると明らかにした。

 EU加盟国も同日、新たな変異株流入を阻止するため、南ア、ボツワナ、エスワティニ、レソト、モザンビーク、ナミビア、ジンバブエの7カ国からEUへの渡航制限措置を速やかに導入することに合意した。

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