安倍元首相「台湾有事」発言どんどんエスカレート…政府は大困惑、自衛隊もジレンマ
「台湾有事」をめぐる安倍元首相の発言がどんどんエスカレートしている。14日も日米台のシンクタンクが共催した国際フォーラムでビデオ講演し、中国を批判。「軍事的な冒険を追い求めるのは、自殺的な行為だ」「我々みなに対する深刻な挑戦で、とりわけ日本に深く関係する」と訴えた。
「民主主義サミット」に台湾を招待するなど、バイデン米大統領が軍事的な中国包囲網に前のめりだから、安倍元首相は米国と足並み揃えて勇ましいのだろうが、安保関連法に基づく「存立危機事態」にまで言及するのは、ちょっと踏み込みすぎじゃないか。
13日に出演したBS番組で「台湾で何か有事があれば『重要影響事態』になるのは間違いない。米艦に攻撃があれば、集団的自衛権の行使もできる『存立危機事態』となる可能性がある」と発言した一件だ。
「存立危機事態は、少なくとも『我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生』なので、日中共同声明などで『国』とみなされていない台湾は適用にはならず、米国が絡む必要がある。米軍の介入が前提で、そこから先は日本政府の判断になります」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)