コロナ死者数10日連続2ケタの衝撃!ブースター接種進まず激増の恐れ“第4波の悪夢”再び

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 第6波の猛威が収まらない。心配なのは死者数の急増だ。31日発表された全国の死者数は48人。2ケタは10日連続だ。オミクロン株の致死率は低いとみられてきたが、一体、何が起きているのか──。第4波(アルファ株)と第5波(デルタ株)を参考に今後の推移を探った。

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 ◇  ◇  ◇

 第6波に突入してから約1カ月。過去の感染拡大の初期1カ月を比較して検証した。それぞれの「入り口」は、新規感染者数が上昇傾向に転じた日だ。

 感染拡大突入後、1カ月間の感染者数と死者数は、第4波(昨年3月22日~4月21日)では9万541人と937人。第5波(昨年7月5日~8月4日)では16万5268人と386人だった。

 第6波は1月1日から31日までの1カ月で、感染者数は101万234人、死者数は423人となっている。

 第6波の感染者数はケタ違い。改めてオミクロン株の感染力の強さを実感するが、死者数も見過ごせない。ここ1カ月の死者数は第5波を上回っている。直近10日間(別表)では、第5波の3倍強に上り、第4波に迫る勢いとなっている。

 問題は流行が本格化してからの死者数の推移だ。第4波と第5波では大きく異なっている。

無防備で迎えるオミクロン株ピーク

 第4波では昨年5月以降、死者数が大きく膨れ上がった。最多は5月18日の216人で、100人超の日は14日もあった。

 一方、実は第5波では1日当たりの死者数が3ケタになることはなかった(最多は9月8日の89人)。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「デルタ株はアルファ株よりも重症化リスクは高いとされています。それでも、第4波よりも第5波の死者数が抑えられたのは、ワクチン接種の効果です。デルタ株の流行前に高齢者の2回目接種が完了し、夏から秋にかけ、一般にも接種が広がった。体内に抗体がしっかりできている状態でデルタ株の流行を迎え、重症化、死亡リスクが引き下げられたのです」

 第4波では一部医療従事者を除き、国民の大半がワクチン未接種だった。3回目接種が遅れに遅れる第6波は、どうなるのか。

「足元の状況は第4波に近いと言えます。2回目接種完了から長期間が経過し、ワクチンの効果はほぼなくなっている。3回目の接種率は、まだ3%程度。ほとんどの国民が十分な抗体を持たず“無防備”な状態で、オミクロン株流行のピークを迎えることになります。現在、死者数が増加傾向にあるのも、ブースター未接種の影響が出ている可能性があります。せめて、1月中に重症化リスクの高い高齢者には3回目接種を完了させておくべきでした」(中原英臣氏)

 米国では先週、1日当たりの死者数が2000人を超え、デルタ株を上回る水準となった。対岸の火事ではない。

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