菅前首相に近い自民“非主流派”が倒閣のノロシ! 参院山形めぐり総務会で執行部を突き上げ
岸田政権に対する揺さぶりなのか。自民党執行部が夏の参院選で国民民主党に配慮し、山形選挙区(改選数1)で候補の擁立を見送る方針について、異論が噴出。12日の党総務会で菅前首相に近い“非主流派”が大暴れした。
■国民民主に配慮で不戦敗「あり得ない」
山形選挙区は国民民主の現職が出馬を表明している。自民が候補を出さなければ「不戦敗」だ。総務会では、国対委員長として二階元幹事長とともに菅政権を支えた森山総務会長代行が「国民民主の候補と戦う他の選挙区に影響が出る。士気が下がる」と口火を切った。これに菅前首相側近の坂井前官房副長官らが同調。安倍元首相に近い衛藤元防衛庁長官や下村前政調会長らも「不戦敗はあり得ない」と加勢し、山形県連会長も務める遠藤選対委員長を徹底的に突き上げたのだ。
「森山さんほどの重鎮がわざわざ総務会に出席して最初に発言したのは、同調意見が続くよう根回しした上でのことでしょう。非主流派が結集して菅さんを支える勉強会の発足も近いようだし、岸田総理と距離を置くメンメンが参院選後の政局をにらんで動き始めたということです」(自民党中堅議員)
菅勉強会を足がかりに主導権を奪取したい
勉強会立ち上げの中心人物が、菅前首相の盟友で、今年2月に麻生派を飛び出した佐藤前総務会長だ。これまで森山氏や二階派幹部の武田前総務相、衆参の無派閥議員らと会談を重ねて、勉強会の準備を進めてきた。12日の総務会の様子を聞いた佐藤氏は「森山さんの発言は正論だ」と満足そうに話していたという。
「党内は、国民民主との連携を深める岸田総理や麻生副総裁らの宏池会系グループと、自公政権に日本維新の会が閣外から協力する体制を維持していきたいグループに分かれつつある。菅さんの強みは、公明・維新との太いパイプ。非主流派としては、菅勉強会を足がかりに主導権を奪取したい。佐藤さんは安倍派との連携も視野に入れています。もっとも、菅さん本人は政局目的というより、純粋に政策をやりたいようですが……」(菅勉強会に参加予定の議員)
国民民主との連携を潰したい非主流派からすれば、山形選挙区の擁立問題は格好の攻撃材料。まだまだ紛糾しそうだ。